the Dream with the Occasional Real 6 -My Original Japanese Novel-
Welcome to this page! 今から4年くらい前に書いてみた小説もどきを少しずつ投稿しています。
I have put little by little my Japanese sentences like a novel I wrote about four years ago.
日本語のタイトルは「夢、ときどき現実」です。本来は英文で書いていくページにするつもりでしたが、こちらには縦書機能があるので、こちらを使います。前回のチャプター5は以下からどうぞ。
「夢、ときどき現実」Chapter5 (in Japanese)
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「夢、ときどき現実」(©やみぃーノけんChan (Ken-aka-Yammy))
6
一大事のあった日の翌日、現場に帆足さんの姿はなく、この日は休みのようだった。
「伊集院さんは一体彼に何を期待したんですか?」
「失敗だったか。確かに今までで一番手がかかるかもしれないが」
「他の人より成長が遅いし、みんなが彼に気を遣っているわ」
パーソナリティ、代表取締役、局長……三人の伊集院さんが俺をつまみにフロアで朝から会話を弾ませている。俺がスロースターターであることが原因なのか、俺の才能がなさすぎるのか……上の人の言葉に辟易状態。本当に大変なことばかりだ。
「そろそろ戦力外通告ですかね」
俺は三人に口を挟んだ。これは俺なりの抵抗だった。局長の伊集院さんが不適な笑みを浮かべて言う。
「面白いこと言うわね。でも、あなたは戦力以前の問題よ」
「じゃぁ、何でまだ研修に来させてる?」と言おうとして言葉を飲み込んだ。
その日の帰り際、既に代表取締役の伊集院さんとパーソナリティの伊集院さんの姿はなかった。もうそろそろ自分は終わりなんだろうと悟った。次の研修日について、局長の伊集院さんに都合・意向を訊いたが、一言だけ放たれた。
「それはあなたが来たいかどうかよ」
戦力以前の問題なのにか……。
もうしんどい……。
何故か真っ直ぐ帰る気にはなれない。何か普段とは違ったことがしたい。どうにでもなってしまえばいいじゃないか。様々な思いが交錯する中、俺はラジオ局の近くにあるカラオケ喫茶に思い切って入ってみた。カラオケ喫茶デビューだ。いつもなら物怖じしてしまうのだが、今日はいける気がする。
「まぁまぁ。いらっしゃいませ」
お店のママさんだろうか。優しい笑顔で出迎えてくれた。
「お兄さん、学生さん? こういったところは初めてなんじゃないかしら。びっくりしたでしょ? まぁ、ゆっくりしていって。お飲み物でも如何?」
「……ホットコーヒーをお願いします」
促されて若干躊躇いつつも、俺は飲み物を注文した。
地下にある喫茶で、広々とした空間。年配の方々が好きな歌を元気よく歌っている。
「ええぞええぞ!」
マスターだろうか。歌の間に合いの手を入れている。俺はボックス席に腰を掛け、ホットコーヒーを待った。間もなくしてホットコーヒーが運ばれてきた。俺は帰りが少し遅くなることを母親にメールで伝え、暫しこの空間の温かい雰囲気に浸ることにした。
自分が歌を歌うわけでもなく、特に何かしているわけでもないのに、なぜか癒されているような気がする不思議な感覚。
しかしながら、帰りの電車、帰りを待つ親のことも気になるので、長居はせずに帰ることにした。
「あらお帰り? 少しは元気になれたかしら? また来てみてくださいね」
出迎えてくれた女性が出迎えてくれたときと同じ優しい笑顔で声をかけてくれた。
「はい、有り難うございます! またよろしくお願いします」
ラジオ局の研修のときとは違う軽快なトーンが出た。
今日のことはしっかりと日記に残しておこう……。
カウンターにて支払いを済ませてカラオケ喫茶から出た俺は、あの温かい雰囲気の余韻に浸りながら家路を急いだ。
次の研修日、俺は再び現場を訪れた。シフト表から帆足さんの名前がなくなっていた。
「彼女なら辞めたよ、自分から」
俺の様子を察してか、森畑さんが述べた。ただ「自分から」というのが本当のことかどうか疑ってしまった。
帆足さんからの雷が落ちることなく、この日の業務を無事に終えた。帰りの電車内では、このラジオ局のこと、自分の将来のことをずっと考えていた。頭に過るのは不安と恐怖ばかり。
帰宅した後、俺は両親に相談した。今までこのラジオ局で起こった出来事をこと細かく話した。
「言われるがままでいる必要はないのだから、自分で見切りをつけるか、相手に見切りをつけてもらうか、どちらかにしたらいい」という両親の意見から、俺は次の日の研修へ向かう前にラジオ局へ電話をかけて自分の身の処置について問うことにした。
Here is my link tree in Japanese. Ken-aka-Yammy Thank you very much for reading! See you Next time!