Let's state in English and Japanese

the Dream with the Occasional Real 4 -My Original Japanese Novel-

2021/07/24
 
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1年ほど滞在した海外から戻ってきてからしたいことがあったにもかかわらず、残念ながらそれと全く関係ない業界に導かれることになり、したいことを形にできていない自分が、何とかやってみようと藻掻いてみるサイトです。 興味関心ごとをアップしていく予定です。音楽や書道などの日本文化、日本語と英語の違いの面白さなどに触れてみませんか。Japanese Culture in English! Why don't you learn Japanese culture? みなさんとともに素敵な空間にできたらと思います。 (※ユーザーが投稿するコンテンツ等(引用文献等を除く)の著作権はユーザーに帰属します)Ken-aka-Yammy

Welcome to this page! 今から4年くらい前に書いてみた小説もどきを少しずつ投稿しています。
I have put little by little my Japanese sentences like a novel I wrote about four years ago.
 
日本語のタイトルは「夢、ときどき現実」です。本来は英文で書いていくページにするつもりでしたが、こちらには縦書機能があるので、こちらを使います。前回のチャプター3は以下からどうぞ

「夢、ときどき現実」Chapter3 (in Japanese)

※ユーザーが投稿するコンテンツ等(引用文献等を除く)の著作権はユーザーに帰属します。以下の縦書文章も同様です。(やみぃーノけんChan (Ken-aka-Yammy))
The copyright belongs to the user. The copyright involves the contents, sentences and others except for some kinds of citations, put by the user, and the following Japanese sentences written vertically as well. The user is me. Thank you.

 

「夢、ときどき現実」(©やみぃーノけんChan (Ken-aka-Yammy))

 

 自分の地元から少し離れた地域密着型の小さなラジオ局の研修初日。俺が通っている大学は県外にあるから、前日に実家へ帰り、そこから電車でラジオ局へ向かった。

 現場では、リポートの同行、ラジオCM収録、外郎売の練習などに携わった。外郎売という、喋りを仕事にする人には必須な教材については、演劇部の経験から既に理解していた。ただ、業務内容よりも先ず気になったのは労働形態だ。

 この研修にパスして採用されても契約社員扱いらしい。契約期間は明確に定められずにシフト制の労働。いつ勝手にシフトがなくなるかわかったもんじゃない。

「確定申告とかってどうなさっているんですか?」

「個人で行ってますよ。その時期が来たら他の人に付いていったらいいですから」

「は、はぁ……」

 メールをくれた採用担当の森畑さんはそう述べた。どうやら伊集院さんは普段はあまり局には居ないらしい。この女性を信用していいのだろうか。

 

「普通が一番難しいんだ。君には独特の節があるみたいだから注意するように」

 この局で長くパーソナリティを務めている、縦にも横にも幅のある恰幅の良い風貌の男性からそう言われた。周り人たちからはタカさんと呼ばれている。

 この人も伊集院っていうんだ……。

 その人から言われたことを日記に残した。初めての人間にこれだけ言ってくださったことに感謝した。半年ほど現場経験のある一つ年上の女性が次の日から自分に就くことになった。

 

「局長の伊集院です。よろしく」

 ここには伊集院さんが三人もいるのか……。

 研修二日目。俺は昨日現場に居なかった女性局長と挨拶を交わした。

 この日はリポートへの同行とミキサー業務が中心。ミキサーの位置づけは収録・放送時における録音・音響エンジニアといったところだ。番組で使用する音楽やパーソナリティの声などの管理・調節を行う。俺には非常に興味深い分野だ。

 ただ注意すべき点は、このラジオ局の番組はすべて生放送であること。音楽はCDで流すが、CMはまさかのMDで流すことになっている。「いつの時代のラジオ局だろうか」と思いながらも、フェーダーに手を伸ばす俺。初操作の俺は曲をフェードアウトするだけでも手が勝手にバイブレーションを起こした。

「大丈夫なの? めっちゃ手が震えてるけど」

 今日から俺に就く、というより人がおらず、入社してから日が浅いという理由で指導役みたいなポジションに行き着いた帆足という女性が言う。この人、自らこのポジションに来たんじゃなかろうか。

「大丈夫です。すみません」

 プライドが高そうな帆足さんに俺は恐る恐る答えた。長年スポーツやってきましたといった雰囲気が伺える。

 

 それからというもの、帆足さんとの業務が増加。何かにつけて、「暗い」、「気が利かない」とどやされ、リポートに行けば、問答無用で

「何のためにリポートしてきたのか全然分からない。あんなの意味ないでしょ」

 と貶される始末。言葉に詰まらないようにするため、必要だと思うことはノートに書いたのだが。

「あんたさぁ、甘えてんじゃないの? 一番下のあんたが車を運転するのが常識でしょ!」

 この人との外出では車の運転は強制的。俺は大学生であって、研修生であって、社員ではない。保険もどうなっているのかわからないし、労働の対価ももらってない。

「スピード出して無さすぎ。マジでクソみたいに手がかかるね」

 俺はサンドバックか。ICレコーダーで音声を録音しておきたい気分だ。

 局に戻ってからも「暗い」シャワーは降り注ぐ。そのシャワーは帆足さんからだけではなかった。

次のチャプターはこちら!「夢、ときどき現実」Chapter5 (2021.7.20アップ)

Here is my link tree in Japanese. Ken-aka-Yammy Thank you very much for reading! See you Next time! 

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